京都の玉露、抹茶はなぜ高い?

京都、宇治茶の産地の中でも大きな生産量を占める和束町、南山城村に行ってきました。この近辺での茶時期はそろそろ佳境を迎えようとしています。

広々とした茶園を見渡すと黒いシートのようなものが見られます。これらは一体何でしょうか?

これは、世界でも人気が高まりつつある抹茶や、高級茶として知られる玉露を生産するために必要なものです。このように茶園に黒いシートのようなものを被せる栽培方法を、覆い下栽培、または被覆栽培といいます。それに対して、太陽の光を浴びせる栽培を露地栽培といいます。前者は主に京都府や福岡県、後者は主に静岡県で盛んです。
では、なぜこのようなことをするのでしょうか?

この栽培方法は室町時代の頃より始まったそうなのですが、元々は新芽に霜が当たらないようにするためだったようです。
現在では、お茶が持つ旨味成分であるアミノ酸が、日光によって渋味成分であるカテキンに変化することを防ぐためや、葉緑素を増加させ、茶葉の色をより深い緑色にするためなど、複数の理由があるとされています。茶葉の色に関しては、次の写真で違いがよく分かります。

被覆にも、棚を組んで覆いをするタイプと、直接茶樹に覆いをする直掛けタイプがあります。棚のタイプの方が、茶樹にストレスがかかりにくく、より成育も良いため、品質が高くなる傾向にあります。
とはいえ、どちらも非常に手間も費用もかかるものです。生産農家の方々は、知識や経験から頃合いを計り、注意深く茶園を管理されています。玉露や抹茶の価格が高くなってしまうのは、それだけ手間と費用をかけているためです。

但し、被覆をする、しないで品質の優劣は決まりません。あくまでも生産地や生産農家の中での文化的な側面が強いと個人的に思っています。同じ日本でも、それぞれの嗜好に合わせた特徴ある茶づくりが数多く存在し、それらが茶文化を支えてきたのだと思います。

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